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VERUS ENGINEERING FA24用 大容量オイルパン(A0499A)

VERUS ENGINEERING A0499A GR86/BRZ用 3Dプリントアルミニウム製オイルパン

GR86(ZN8)/BRZ(ZD8)のサーキット走行時の油圧低下について、海外のテストデータと開発経緯をまとめました。

現行GR86/BRZに搭載されているFA24エンジンは、サーキットの右コーナーで油圧が大きく下がることが、アメリカのオーナーの計測によって分かっています。VERUS ENGINEERINGはこの問題に2年以上取り組み、5回の設計変更を経てオイルパンを製品化しました。このページでは、これまでに公開されている計測結果と、VERUSのオイルパンで何が変わったのかを順にご紹介します。

FA24で起きている油圧低下

2023年、BRZオーナーのBrian Armstrong氏(YouTubeチャンネル「900BRZ」)と仲間たちは、2022年式BRZ、2022年式GR86、比較用に旧型エンジン(FA20)の2017年式BRZの3台に油圧センサーとロガーを取り付けました。そのうえで、カリフォルニアのサンダーヒル・レースウェイを複数のドライバーで走行し、データを取っています。

FA24は直線と左コーナーでは安定した油圧を保っていました。一方で、横Gが長く続く右コーナー、切り返し、上り下りが絡む右コーナーでは、油圧の落ち込みが毎回のように記録されています。

状況(純正オイルパン) 油圧 kgf/cm²換算
4,000rpm以上の通常時 約60 psi 約4.2
右コーナーでの記録例(BRZ) 68 → 27 psi 4.8 → 1.9
VERUS自社+テストユーザーの計測 最低 23 psi 約1.6
サンダーヒル T8の頂上付近(GR86) 最低 20 psi 約1.4

出典:Hagerty、Road & Track、Carscoops、CarBuzz、VERUS ENGINEERING。

そのほか、次のような点も報告されています。

  • 20psi台半ばまでの低下が、1周のうちに何度も起きる。
  • 低下幅は大きいもので60%を超え、7,400rpm付近でも発生している。
  • 余分なシール剤(RTV)を取り除いた車両でも同じように起きる。そのため、以前話題になったRTVの問題とは別のものと考えられている。
  • FA20の2017年式BRZにも低下は見られるが、小さく、すぐに戻る。

計測したArmstrong氏は、この程度の低下でもベアリングを傷めるには十分だとの見方を示しています。

原因として考えられていること

有力なのは、強い横Gがかかるとオイルがヘッドやタイミングカバー側に溜まり、パンへの戻りが追いつかなくなるという説です。戻りきらないうちにオイルピックアップが空気を吸い込み、油圧が落ちます。ピックアップが左右対称の位置にないことも、右コーナーで起きやすい理由の一つとされています。

なお、純正パンに仕切り板(バッフル)を追加しただけの試作品では、目立った改善は得られなかったと報告されています。

VERUSのオイルパンの考え方

VERUSは「純正パンの容量が足りていない」という仮説から開発を始めました。いくつかのバッフルを試したうえで、まずオイルの総量を増やすことが最も効果的だと判断しています。そこに専用のバッフルを組み合わせ、ピックアップの周りにオイルが残る構造にしました。

  • 容量:純正より約1.3L多く入れられます。オーバーフィルにはなりません。オイルの戻りが遅れても、パンの中が空になりにくくなります。
  • バッフル:パンと一体のバッフルで、コーナリング・ブレーキング・加速時にもオイルをピックアップ付近に保ちます。バッフルの扉部分はステンレス製です。
  • 形状:実車を3Dスキャンしたデータをもとに、エキゾーストヘッダーをよけた形に作られています。限られたスペースで容量を最大限に確保しています。
VERUS FA24オイルパン 3Dプリント製品 VERUS FA24オイルパン 開発時の試作品 VERUS FA24オイルパン 内部

写真:VERUS ENGINEERING

テスト結果

VERUSが自社のテストと複数のテストユーザーのデータをもとに公表している内容を、純正パンと比べると次のとおりです。

純正オイルパン VERUS オイルパン
油圧低下の回数 1周の中で何度も発生 大幅に減少
低下の深さ 20〜23psiまで落ちる例あり 落ちた場合も幅が小さい
低下が続く時間 長い 大幅に短い
30psi前後への繰り返しの低下 あり 見られなくなった

VERUSは装着後の具体的な数値を公表していないため、メーカーの表現をそのまま記載しています。効果は車両の仕様、タイヤ、コース、ドライバー、油温、オイル量などによって変わります。

開発を手伝ったArmstrong氏も、試作品に替えてから純正時と比べて大きく改善したと話しています。米Autoblogは2025年12月の記事で、この製品をGR86/BRZの油圧問題に対する「本当の解決策」として紹介しました。

動画で見る(VERUS ENGINEERING公式)

VERUS ENGINEERINGがYouTubeで公開している、このオイルパンの開発・テストに関する動画です。音声は英語です。ページを開くと消音で自動再生されます。

FA24 Oil Pan Data so far

メインテスターのSeigo Ma氏がカリフォルニアで取ったテストデータをもとに、VERUSがここまでの結果を解説している動画です。メーカーの製品ページでも、データ解説の動画として紹介されています。

GR86/BRZ FA24 Oil Pan Update 2

容量を1.3L増やしたVersion 3の試作品を詳しく紹介している、開発途中の動画です。遮熱板を外すことによる熱への考え方や、社外ヘッダーへの対応についても話しています。

GR86/BRZ FA24 Oil Pan Update 3

テストユーザーの車両で取った実走データの紹介と、社外エキゾーストヘッダーを3Dスキャンしてオイルパンとのすき間を確認する様子をまとめた動画です。

動画:VERUS ENGINEERING(YouTube)。自動再生されない場合は、再生ボタンを押してください。

油温について

このオイルパンを付けるには、純正エキゾーストヘッダーの遮熱板を外す必要があります。そのため油温への影響を気にされる方も多いと思います。

Armstrong氏は試作品(Version 2)を自分の車(オイルクーラー付き)に付けて、街乗りとサーキットの両方で油温を確認しました。その結果、交換前と目立った違いはなかったと報告しています。また、サーキット4回とスキッドパッド1回を含む約2,146マイル(約3,450km)走った後にオイル分析を行い、粘度・引火点・燃料の混入などはすべて正常範囲でした。オイルが1.3L増えるぶん、熱を受け止める余裕も大きくなります。

開発の経緯

2023年 900BRZのArmstrong氏らが右コーナーでの油圧低下を計測し、公表。Road & Track、Hagertyなどが取り上げる。
初期型 VERUSが開発に着手。最初はバッフルのない大容量パンだった。
Version 2 容量を約1L増加。Armstrong氏の車両でテストし、純正から大きく改善。
Version 3 増量分を1.3Lに拡大。10個を製作して複数のドライバーに配布し、データを集める。
Version 3〜5 2023年Turn8 Time AttackチャンピオンのSeigo Ma氏がカリフォルニアで主にテストを担当。
2025年 3Dプリントのアルミニウム製で発売。

製品仕様

品番 A0499A
適合 TOYOTA GR86(ZN8)/SUBARU BRZ(ZD8)
材質 アルミニウム(3Dプリント)、バッフル一体
容量 純正比 約1.3L増
内容物 オイルパン本体、取付ハードウェア一式(ステンレス製)、取付用テンプレート
確認済みのヘッダー 純正ヘッダー(遮熱板を外す)、JDL 不等長キャットレス。
現行のリビジョンF(P1705A-F刻印)からは、HKS 等長スーパーマニホールド(触媒付)、JDL 4-2-1 等長キャットレス、Power Craftにも対応しています。

適合はメーカー発表時点の情報です。記載のないヘッダーをお使いの場合は、ご注文前にお問い合わせください。

よくあるご質問

Q. 街乗りだけでも付けたほうがいいですか?
油圧低下が報告されているのは、主にサーキットで高回転・強い横Gがかかる右コーナーです。サーキット走行会やジムカーナに出られる方向けの部品とお考えください。
Q. オイルはどれくらい入れればいいですか?
純正より約1.3L多く入れられます。具体的な量は付属の取付説明書をご確認ください。
Q. 遮熱板を外しても問題ありませんか?
開発に協力したオーナーの計測では、油温に目立った変化はありませんでした。気になる場合は、ヘッダーに巻く遮熱材やボンネットダクトとの併用をおすすめします。

当店(RK-ONLINE/アークトレーディング株式会社)はVERUS ENGINEERINGの正規取扱店です。取付や適合についてご不明な点があれば、お気軽にお問い合わせください。

参考資料

本ページは上記の公開情報をもとに当店でまとめたものです。SUBARU/TOYOTAは、FA24エンジンの設計に問題はないという立場をとっています。