【翻訳】CFD解析画像の読み方 — VERUSが見ている5つのプロット
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VERUSでは、ANSYSのCFDPostやオープンソースのParaviewなど、複数のポストプロセッサーを使用しています。この記事では、VERUSがコンポーネントの空力性能を改善するために日常的に確認している代表的な画像を、Paraviewを使って見ていきます。メッシュ生成と解析はすべてANSYS Fluentで実施しています。本記事は、VERUS公式ブログ「CFD Post Processing」(2018年11月30日/Eric Hazen)を、日本正規代理店RK-ONLINEが翻訳・編集したものです。
圧力係数(Cp)プロット
最初は車両の圧力係数(Cp)プロットです。車両表面の圧力を素早く簡単に確認するために使います。究極的には、車両表面が受ける圧力がダウンフォース・リフト・ドラッグを決定するので、これは非常に重要なプロットであり、すべての解析で使用しています。
圧力係数は、流れ場全体の相対圧力を表す無次元数で、外部空力の解析でよく使われます。
- 0 — 大気圧
- 0〜1 — 高い圧力
- -1.0〜0 — 低い圧力
数式に興味のある方のために、圧力係数の算出式は以下の通りです。

VERUSのポストプロセシングでは、カラープロットによって高圧部と低圧部を判別しやすくしています。黄色〜赤が高圧、青〜紫が低圧。グレーは大気圧(自由流)で、車体表面に影響を与えていないエリアです。

圧力係数を使って車体表面の圧力分布を見ると、床下の低圧がはっきり確認できます。リアディフューザーを拡大すると、ディフューザーのスロート(絞り部)の低圧が分かります。ウィング下面の非常に低い圧力も見えます。簡略化されたエンジン周りには高い圧力が確認できます。

ダイブプレーンは下面とバンパー周辺が低圧になっています。これはダイブプレーン自体と、バンパー側面の比較的高い流速によるものです。この高い流速こそが、ダイブプレーン(カナード)が高い迎角でも流れを付着させておける理由の一つです。このプロットでは、ダイブプレーンからインレットダクトへの高い圧力も示されています。

スプリッター下面では広範囲の低圧が確認でき、新しいフロントディフューザーが流れ場全体に与える影響も見て取れます。
Surface LIC(表面流線可視化)
次は、CFDポストプロセシングを実車テストと比較する方法です。Surface LIC(Line Integral Convolution)は、車両表面上の流体の流れを示します。実車での検証には、オイルフローやフロービズ(気流可視化)を用います。
数式に興味のある方向けに、使用する式は以下の通り。車体表面を見るには表面上のベクトルが必要ですが、壁面での速度は0のため速度は使えません。そこで壁面せん断応力を使用します。



このプロットにより、車両表面での流れの挙動を理解し、設計改善に活かせます。VERUSはこのプロットを使って、リアウィングの実車フロービズテストとの相関確認や、ポルシェ987の各種コンポーネントの検証も行ってきました。CFDデータを実測結果と相関させることで、解析の正確さ、メッシュ品質の適切さ、そしてCFD結果そのものの信頼性を担保しています。
速度プロット
次は速度カットプロットで、単位はm/sです。空間をスライスした断面で、色が速度を表します。黒い線は流体の方向を示すLICプロットで、こちらは壁面せん断応力ではなく速度ベクトルを使用しています。車両周囲の気流の流れ方を把握できます。

リアの青い剥離領域、いわゆるデッドウォーター領域がはっきり見えます。ナンバープレートのすぐ後ろの再循環流も確認できます。このデッドウォーター領域がかなり小さいのは、VERUSのディフューザーが車両後方の流れを改善しているからです。

スライス位置を変えると、同じデータを車両の別の位置で見られます。上の画像はセンターラインから250mm、最初の画像は100mmの位置です。
全圧係数プロット
次は全圧係数のプロットです。渦など、性能に重要な車両周りの流れの構造を見るのに適しています。この場合、赤は気流のエネルギーが全く失われていない状態、青は気流のエネルギーの大部分が使われている状態を示します。黒い線は断面上の流体の方向です。

ここではダイブプレーンから形成される2つの渦と、それが下流でどう変化するかが確認できます。この車両では、エンジン吸気のインレットダクトへの流れが良くなるよう、ダイブプレーンを専用に調整しました。
ストリームライン(流線)
最後はストリームラインです。見映えのする画像になるため人気のある可視化です。ストリームラインは、走行中の車両が空気をどう押しのけるかを示し、色は速度を表します。床下のストリームラインは、車両下面が気流に与える影響を見るのに最適です。リアタイヤからの乱れた気流(ダーティエア)もはっきり確認できます。車両後方でストリームラインが達する高さは印象的で、リアディフューザーとリアウィングがいかにうまく連携して働いているかを示しています。
原文はこちら(VERUS公式ブログ・英語)でご覧いただけます。あわせて翻訳記事「VERUS風洞実験レポート」もご覧ください。
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