【翻訳】エアダムかスプリッターか — NAロードスターで6ケース比較
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※原文注記: このデータは以前、VERUSメンバーの個人ブログで公開されていたものです。同じデータを、本人がVERUSに在籍することからVERUS名義で再掲載したものです。空力を正しく理解する人が増えれば、良い製品と悪い製品を見分けたり、自分で設計したりできるようになる——それが公開の理由です。本記事は、VERUS公式ブログ「Air Dam or Splitter - A Closer Look」(2015年3月12日/Mike Villano)を、日本正規代理店RK-ONLINEが翻訳・編集したものです。
この記事では、異なるフロントエアロが市販車に与える影響を紹介します。題材は1990〖1997年のNAマツダ・ロードスター(ミアタ)。モデルが手元にあり、多様なエアロデザインが一般的な車種であり、友人からエアロパッケージ設計の相談を受けたことが選定理由です。

純正NAロードスターのCFD

車高4インチにローダウンした純正NAロードスターのCFD
6つの検証ケース
- 純正 1990-1997 NAロードスター
- 純正NAロードスターを車高4インチにローダウン
- 小型フロントエアダム(車高4インチ)
- 小型エアダム+スプリッター(車高4インチ)
- 大型エアダム(車高4インチ)
- 大型エアダム+スプリッター(車高4インチ)
※ケース3〖6ではエアダム/スプリッターの地上高は2インチ。ソルバーはk-omega SST乱流モデルの定常非圧縮性ソルバー。前処理と解法はOpenFOAM、ポストプロセシングはParaviewとExcelで実施しました(※2015年当時。現在のVERUSは主にANSYSを使用)。
数値データ

Cd=ドラッグ係数、Cl=リフト係数、L/D=揚抗比(空力効率)。ダウンフォース欄は負の値がリフト、正の値がダウンフォース
ドラッグは全セットアップで拮抗しており、最小は大型エアダム+スプリッターの構成でした。スプリッター付きの2ケースは、エアダム単体より大幅に大きなダウンフォースを発生。純正の2ケースはダウンフォースではなくリフトを発生しています。市販車の大半は純正でリフトを生むので、これは想定通りです。これらは一般的な設計の傾向値であり、実際の設計は設計目標を定めたうえでさらに詰めるべきです。
なお、純正ロードスターのCFDでのドラッグ係数は0.36。公表値は0.38です。CFD側がやや低いのは、床下・ホイールの簡略化と内部流(ラジエーターなど)の省略によるもので、0.015の差は妥当な誤差範囲と判断。つまりデータの妥当性を確認する「サニティチェック」を通過しています。
CFD画像の比較


これらの画像からは、セットアップの違いが車両前部と中央部の圧力に与える影響がよく分かります。

こちらは各セットアップが車両周りの流速に与える影響。興味深いのは、フロントのセットアップが車両後方の気流まで大きく変えている点です。
どれが「最善」なのか
各画像をじっくり見比べてください。それぞれが異なる絵を描き、高速走行時の車の挙動を変えます。ではどれがベストか?——「最善」の設計は存在しません。どの設計にもトレードオフがあります。L/D、ダウンフォース、エアロバランスなど複数の要素を検討すべきで、最適解はサーキットごと、車両ごとに変わりえます。一般論としては、まずリアのエアロを決め、それにバランスさせる形でフロントを設計することが推奨されます。
原文はこちら(VERUS公式ブログ・英語)でご覧いただけます。
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